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「カザキリ」やなぎなぎ
JUGEMテーマ:アニメなんでも

最近「ノルン・ノネット」というアニメを見終わって、
テーマソングが琴線に触れたので久々にブログに書きたくなりました。

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守る代わり風切り羽を折った
bird in a cage

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冒頭は上記のようなフレーズで始まります。
風切り羽を折る・・?
やなぎなぎさんの声が優しく穏やかなので聞き逃してしまいそうなのですが、
意味を考えると切なくなります。

「ノルン・ノネット」を知らない人のために説明すると、
このアニメは女性向けゲームをもとに制作された恋愛ものの物語です。

主人公は可愛い女の子で、9人ものイケメン(美少年および美青年)の中から1人選んで恋をします。
ゲームでは選択肢によってストーリーが分岐し、さまざまなエンディングを楽しめます。

乙女ゲーム、恋愛ものと聞けば、好みのイケメンと恋をするだけの単純ストーリーと思いがちですが、
この「ノルン・ノネット」は背景がひと味ちがう。
主人公たちは最近のファンタジーにありがちな超能力者(炎や水を操ったりする)なのですが、
その能力の正体と目的が物語後半に明かされます。

その目的とは・・
過去、人類の文明が発展すると必ず勃発する世界規模の戦争、その大虐殺と汚染をとめるため、文明を初期化するリセット計画が発動されました。
具体的には、発展しすぎた文明を、インドラの矢かソドムを滅ぼした神の火のごとく、焼き滅ぼし、人間の記憶を消し、自然を活性化させ、縄文時代付近?まで文明レベルを戻してしまおうという神的計画です。
ノアの箱舟のように一部の人間だけ残して、都合の悪いものは洪水で押し流して世界を作り直す、神の所業ですね。
主人公たちの能力は、なんとこのリセット計画のためのもの、つまり世界を滅ぼすための能力なのです。

乙女ゲームなのに重い!
しかも若干SF気味・・。

だいたい2000年くらいごとにリセットが行われてきていて、主人公たちの時代が4回目だったか・・
アニメの最終局面では、主人公たちはリセットをするか否かを決断することになります。
そして、最終回らへんの登場人物の台詞で、テーマソングの冒頭の意味が暗示されます。

この世界は鳥籠・・
守るために風切り羽を折った・・・・・皆で穏やかに暮らすために文明が自由に発展する未来を摘み取ったということ。

「鳥籠の中と外、どちらに幸福があったのか」

登場人物がそうつぶやくシーンがあるのですが、その問の答えは、カザキリの最後のほうの歌詞にありそうです。

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ねえ もしも自由に飛べるとわかっても
bird in your hand
傍で歌い続けてるよ

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カザキリの2番の歌詞で「ちっぽけなこの枠から抜け出そう」「檻を開け放ったなら」とあるように、アニメの結論は、リセット計画の破棄で、これからは自由に文明を発展させますよ、という終わり方でした。
けれど、最後の歌詞で、自由に飛べるとわかっても貴方の手の中にいる、とあります。

鳥籠の中にも幸福があった。

この物語はどのルートを選んでも、リセットについて登場人物が悩むことになります。
今まで積み上げてきたものを無くすことを簡単に選べる筈がない。
というかテーマが重すぎて、リセットについて真面目に考えると色々討論できそうです。
ゲームの製作陣もこのテーマの重さについてある程度承知しているようで、リセットを単純悪とはしていない、むしろリセットを肯定的に見せている部分もあります。
それこそ、鳥籠の中にある幸福ですね。

ところで「ノルン・ノネット」のテーマソングとしてではなく、純粋に歌の内容について考えたとき、
また違った意味も考えられます。
この歌はおそらく恋愛の歌です。そして恋愛の歌として見たとき、どちらかというと大人向けの意味合いを持った歌にも聞こえます。
恋愛はお互いを慈しむのと同じだけ、傷つけあい、束縛しあうものです。
最後に恋愛の歌として「カザキリ」を聞いたときの、歌の意味を書いてこの記事は終わりとします。


どんなに貴方が酷い人だとしても、貴方が好きだから、
貴方が私を自由にすると言っても私は貴方から離れない。
ずっと傍にいるよ。

 
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